木造設計セミナー 「ヤマベの木構造」
先日、東京の木材会館で2日間にわたり開催された木工造の構造設計セミナー「ヤマベの木構造」に参加してきました。
昨今の建築構造設計において実質「構造計算」は構造計算ソフトが行っている実態があり、
コンピューターまかせで本当によいのか、計算内容や結果が設計者である自分が意図したものとなっているか、
そういった重要な部分は設計者が必ず押さえるべきであり、その抑えるべきポイントのレクチャーが今回のセミナーの大まかな趣旨となっていました。
今回の会場である木材会館は木材の需要拡大を目指して活動する東京木材問屋協同組合が運営する会館で、地上7階地下1階の建物全体に9種類の国産木材を内装・外装・構造全体に使用しています。
1階の多目的ギャラリーのユニークな壁面は檜の角材をランダムに組み合わせてできた隠し扉、7階のホールは存在感のある大梁と12cm角の檜を互いに組み合わせることで強度を発揮しています。人々の交流とリラックスを目的としたオープンテラスからはスカイツリーも望める絶景が広がります。
1階の小さな和室と本格的な茶室は火災時の炎と煙の動きに対応した構造。地下1階の機械室内に設置された受水槽も檜製というこだわりで、ブログでは紹介しきれませんが至るところに木材が利用されていています。伝統的な工法に最新の技術を組み合わせることで木材の拡張性を証明した魅力的な建築です。
小栗