
〈お客様の声〉米原市でこだわりの詰まった高性能住宅づくり(3)空間を効率的に使って快適に暮らす
古い民家のリノベーションから新築への建て替えに舵を切られた米原市のE様ご夫妻の家づくりストーリーの3回目。今回は、アーキトラストが提案した新築の最終プランや、空間を効率的に使う工夫についてご紹介をします。
ご紹介したお宅は、バウムバウムのYouTubeチャンネルでもご覧いただくことができます。ぜひ併せてご視聴ください。
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【ルームツアー】子育て動線の決定版!回遊動線とスキップフロアのあるお家/塗り壁とアクセントに杉の板張りを採用/軒付きのガレージで雨にぬれずに家に入れる/お子様がのびのびと過ごせる間取り
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聞き手:まず、この家の中心となるLDKについて教えていただけますか。
E様:家族が多く、また親戚や友人が遊びに来ることも多いので、大人数で使える大きなダイニングテーブルを置けるLDKにしたいという想いがありました。大人数の場合は、小上がりの畳スペースもベンチのように使えるよう、腰掛けやすい高さを検討していただきました。
新築の初案では畳リビングとは別に個室としても使える畳コーナーもありましたが、規模を縮小するにあたってすべて無くすことになりました。LDKの面積は大きく減りましたが、東西南北に窓を配置し視線が抜けるようにすることで、空間が広く感じられるLDKになったと思います。

【写真】開放感を感じるLDK。奥に小上がりの畳コーナーがある
聞き手:ソファが無く、代わりに小上がりの畳スペースがあるのも特徴ですね。
E様:フローリング+ソファのスタイルより、畳でゴロゴロする生活のほうが私たち家族には合っているというのが大きな理由です。ルンバですべて掃除したいと思っていたので、段差を付けるかは悩んだのですが、ダイニングテーブルでゆっくりする大人と、食べてすぐリビングで遊びだす子供たちの目線の高さが合うことで、家族だんらんの時間がより豊かになりそうだなと思えたことと、小さい子供がいると、とにかくおもちゃが散乱するので、いちいちルンバを走らせるための片付けを気にする手間を省けることもメリットでした。子供たちも今ではルンバが動く時間になると、段差の上のリビングスペースに自分たちでおもちゃを避難させてくれます(笑)
ルームツアー動画でも紹介いただきましたが段差をつけることにしたことで、先に触れた大人数で食事をするときのベンチ代わりにも使えるようになり、一石二鳥以上の恩恵を受けられるLDKプランになったなと思いました。

【写真】大きなダイニングテーブルとベンチ代わりにも使える小上がりの畳スペース
聞き手:LDKにある階段が南側の掃き出し窓の手前にあるのが特徴的ですね。
E様:この家の面白いところのひとつかもしれません。リノベーションを考えていた時のプランでは階段は別の位置にあり、1・2階ともに冬期の太陽光を最大限に取得するために南側に大きい窓を設けていました。
新築するにあたって2階の共有スペース(廊下など)を大幅に減らそうと、階段の位置に悩んだのですが、アーキトラストさんに冬期の日照シミュレーションをしてもらったら、1階の南側の掃き出し窓からはそれほど採光が見込めないことがわかりました。さらに、2階の吹き抜けに面した窓からいかに太陽光を取得して、階下へ取り込むかが大事なこともわかりました。そのため、階段は影ができにくいスケルトン階段になっています。

【写真】南側の掃き出し窓の手前に設置された階段
階段の1段の高さも、老後のことを考えてできるだけ低くしたかったので、小上がりになったリビング側から登ることができれば、緩い勾配の階段にできるのでは?と私たちは単純に考えました。またリビングのテレビを子供たちが見るのに腰掛けたりもできる!と、この位置に階段を持ってくることになりました。
聞き手:階段の収まりに苦労されたようにお見受けしますが?
そうなんです、実際にこの階段を問題なく成立させるにあたっては、アーキトラストの岸本さんが納め方に相当苦労されたと聞いております(笑)。南側のウッドデッキへ出るにはこの階段の下をくぐる必要があるため、邪魔にならないような設置位置と高さを検討してもらったり、スケルトン階段にしてLDKから圧迫感のない感じにしたい!でも子どもが落ちないようにもしたいし、階段手摺も窓のある壁にはつけたくない!と、あらゆる要望をこの階段にぶつけました。そのたびに何度も図面を描いてもらって、本当に素敵なカタチに仕上げていただきました!上り下りもしやすいし、子どもたちもここに座って本を読んだりして、単純な通路としての階段ではない空間になったと思っています。

【写真】陽当りのよい階段はお子さんの遊び場にもなります
聞き手:デザイン的にも工夫がされているのでしょうか?
機能面だけでなく、リビングの目に届く場所にあるため「見た目」も重要でした。オープンで綺麗な階段にみせるために、ササラ(階段の踏み板を支える斜めの板材)を踏み板の中心部に寄せて、圧迫感を抑えるようにしています。また、階段を支える支柱もリビングから丸見えになるので、収まりがスッキリとなるように工夫してもらいました。さらに、岸本さんの提案で、階段の下の空間を利用して収納も設けています。
階段の手すりについても、取り付けるための壁を設けてしまうと、せっかくの日射を遮ることになるので、取付部をすのこ状にする工夫をしてもらってます。さらに、その手すりが2階の吹き抜けの手すりを兼ねた本棚へと自然とつながるようにも、デザイン的な検討もしてもらいました。

【写真】丁寧な造作により階段の手摺〜吹き抜けの手すり〜本棚が自然につながります
階段から吹抜へと繋がるアイアンの手摺についてもぐらつかないようにしっかりとした取り付けができるよう相当検討されたと聞いてます。
聞き手:南側にある子どもたち用テーブルとのつながりも自然ですね。
E様:絵本棚と子どもたちが本を読んだり、おままごとをするためのカウンターテーブルがリビングのどこかに欲しくて、アーキトラストさんに提案してもらいました。床下エアコンの吹き出し口を兼ねたデザイン、階段の踏板と同じ木製で作ってもらったので、全体が大きな造り付けの家具のような統一感があって、LDKからはすっきりして見えるのも気にいっています。

【写真】畳スペースにあるカウンターテーブルと本棚。カウンターの下には床下エアコンの吹き出し口が設けられています
リビングの雑多なものやオーディオ関係、大量のおもちゃを収納するスペースも近くに作ってもらった上、この窓まわりのカウンタースペースは広々としているので、子どもたちがここに寝そべってみたり、階段からこのカウンターまでを遊具のように駆け抜けたり、のびのびと過ごしています。
隣接する収納も、いかにもここが収納です!とわかる扉がリビングのテレビの横にくるのが嫌だったので、お客様がいないときは開けっ放しにできる、天井までの引き戸を付けてもらいました。
聞き手:南側の窓に面したキッチンも珍しいですね。
E様:キッチンはガスコンロが良かったので、壁に面したI型がいいなと思っていました。夫婦ともに料理をすること、また親族・友人と一緒に料理を準備することも多いので、ある程度の広さと作業用の独立カウンターは欲しいと思っていました。
リノベーションを考えていた時は、北側に給排水設備があり、改修での断熱性能がどこまで高められるかも不確定だった(南側の居室は日射により室温が上昇しやすく、食品の傷みにつながりやすい)ので、北側にキッチンを設ることを考えていました。しかし、新築にシフトして、アーキトラストさんの手掛ける高断熱・高気密の住まいであることや、夏の日射を適切に遮るパッシブデザインを取り入れていることから、南側の窓前に面したキッチンでも十分に快適であることがわかりました。週末ゆっくりと大人が料理をする間、子どもたちが庭でプール遊びなど好きな遊びをしていても目が届くため、互いの気配がわかる安心感があります。

【写真】南側の窓に面したキッチン。作業の独立カウンターは造作で
反対に、リビングの絵本カウンターの窓から見える庭にはBBQスペースがあるので、大人は外でゆっくり食事しつつ、食べ終わって室内で遊ぶ子供と互いに目配せできるなど、大人と子どもとで過ごし方が違う時間も、無理なく快適に過ごせる空間を、アーキトラストさんに提案してもらいました。
聞き手:LDKに洗面台がありますね
E様:コロナ渦の家づくりだったこともあり、子どもたちが外から帰ってきて、不必要に扉などに触ることなく手洗いができるような、手洗いスペースが欲しいと思っていました。(建築費用を抑えるために)できるだけコンパクトな間取りにしようと検討していたこともあり、玄関に独立の手洗いを設けることができなかったので、いっそのこと洗面所をオープンスペースにもってくることになりました。
ただ、LDKから丸見えになるのはいやだったので、目隠しの壁を設けてもらいました。壁の裏側はカバン掛けになっています。

【写真】LDKの一角に設けられた洗面台
聞き手:リノベーション計画時とほぼ同じ、玄関ホールの横に在宅勤務スペースがあります。一段上がったスキップフロアになっていますね。
E様:近くの河川の洪水浸水エリアにもかかっていたため、万が一の水害時に、大切な資料やパソコンが水に浸からないようにしたいと考えたからです。また仕事の資料関係も多いために収納場所も確保したいという理由から、スキップフロアの仕事スペースにすることになりました。
玄関からすぐの場所なので、単純にドアを設けた個室をしっかり作ってしまうと、玄関ホールが狭く感じること、また空間に遊びの要素を加えるためにも、下駄箱の扉と見せかけた床下収納への入り口を提案してもらいました。また、工事中に現場で岸本さんに、小屋裏空間やトイレの上部の空間も収納スペースにできるよ!と教えてもらえたので、コンパクトながらも、広がりと収納量のある仕事スペースが完成しました。
デスクスペースとしては1.5帖程度しかないのですが、北庭に向けた窓から空が眺められるので狭さを感じませんし、適度な「おこもり感」があり仕事もはかどります。玄関ホールと仕事スペースの境界の、名前もつかないような空間を子どもたちが遊ぶスペースにしているのを見ると、スキップフロアのおかげで、単純に「玄関+仕事部屋」という間取りだけではない豊かな空間になったなと思いました。

【写真】玄関ホールの奥のスキップフロアに設けられた仕事スペース
仕事部屋以外にも、平面図ではわからない収納スペースがたくさんあるのがこの家の特徴です。
プランの打合せでは、絵本棚がほしい、おもちゃの収納が欲しい、衣類収納が欲しい、、、と、要所要所に平面図上で収納を設けてもらっていましたが、工事現場で岸本さんに、ここは実際にこれくらいの収納が取れそうだとか、この高さに収納を設けたら子供の手が届かないだろうなど、造作家具の細かい寸法を提案してもらいながら工事を進めることができたのは、アーキトラストさんでの住まいづくりの良さだと思います。

【写真】スペースを有効活用して随所に収納スペースを
聞き手:こだわりというと、東面に出窓がありますね
E様:この土地を買ったときからあったモミジの木をシンボルツリー的に見せたくて、モミジに面した窓を出窓にしました。玄関ホールから見ると、額縁に収まった絵画のように見えるんです。

【写真】このお宅のシンボルツリーであるモミジの木を絵画のように演出する出窓
聞き手:北側にある庭も同様の目的ですか?
E様:北庭は、北庭に面する個室に広がりを感じさせてくれるポイントになっています。
リビング・ダイニングへの採光や通風の目的もありますが、ダイニング、浴室、そしてトイレと在宅勤務スペースの三方から眺めることができるため、それぞれの空間で緑の安らぎが感じられて、季節や天候を家の中にいても感じることができます。
ただし、出窓や北庭など、外壁の凹凸が多くなると気密を保つ施工が難しくなるので、ここも岸本さんに細かくアドバイスをしてもらったからこそ実現できた部分でした。またスキップフロアなど床面の高低差があったり、屋根の形状も複雑でガレージと住居が屋根でつながったりしていたため、断熱施工も難しかったようです。
聞き手:最後に、このお宅の将来について教えていただけますか
E様:今は子育て真っ最中なこともあり、多忙な日常を家族がいかに楽しく快適に暮らせるか、日々模索しながらこの愛着のある自邸(住まい)を楽しんでいます。子どもたちが大きくなっていくにつれ、個室をどうわけるか、共有スペースをどう使っていくかを考えるのも楽しみです。まだまだ先のことですが、子どもたちが巣立ったあとは、地域の人たちに開かれた人が集うスペースとしてこの家を活用できないかとも考えています。
高性能住宅でありながらも、庭や自然と触れ合えるこの居心地の良い住まいを、メンテナンスもできるところは自分たちの手でしながら、長く大切にしていきたいと思っています。メンテナンスの相談も、アーキトラストさんにしていこうと思っているので、これからも長いお付き合いよろしくお願いします!
聞き手:ありがとうございました
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今回のコラムでは、古い民家のリノベーションから新築への建て替えに舵を切られた米原市のE様ご夫妻の家づくりストーリーの3回目として、アーキトラストが提案した新築の最終プランや、空間を効率的に使う工夫についてご紹介しました。
次回のコラムでは、このお宅の断熱・気密性能を高めるためどのような工夫が隠されているかを、現場管理を担当したアーキトラストの岸本よりご紹介します。