お日さまで沸かすお風呂
(22.4.22の記事を再編して掲載しています)
4月も後半になり、桜も散って日中の気温は徐々に上がり、過ごしやすい気持ちの良い季節となってきました。
今回のブログは、この時期ならではのお話をしたいと思います。
太陽エネルギーを利用した家庭用設備である「太陽熱温水給湯」についてです。
太陽エネルギーを利用した設備と言えば、「太陽光発電(ソーラーパネル)」が真っ先に頭をよぎるかと思います。
そちらに比べると「太陽熱温水給湯」は知名度も普及率も低いですが、実は家庭の光熱費(消費エネルギー)をグンと抑えてくれる、優れものの設備です!!
一昔前は屋根の上にタンク付のパネルが載った家(↓)をちらほら見かけましたが、太陽熱温水給湯はその進化版の設備です。
(こういう設備。業界で俗に「てんぴ」って呼ばれているものです)
ちなみに我が家はこの「太陽熱温水給湯」システムを搭載しています。
春の訪れとともに貯湯槽内の湯温は40度を超え、一晩経ってもその温度は40度をキープしています。
なのでお湯を沸かすのに電気、ガスを一切使いません。(正確には循環冷媒用ポンプ用の電気は使ってます)
この状態が、1年のうち4月から10月くらいまで続くので、これだけで給湯エネルギーにかかる光熱費が半分になります!
さらに真冬においても天気が良い日はタンク内湯温は15℃くらいまであがります。
通常冬の水道水は約2~3℃なので、そこから40度のお湯を作るエネルギーが、約10℃程度分軽減されることに。
関西電力さんのデータでは、4人家族の年間ガス使用量は約500㎥(月平均43㎥)に対し、我が家(4人)のガス使用量は、毎年ほぼ200㎥にとどまっています。(※ガスは主に給湯と調理に使用)
太陽光発電と比べると、この設備は「お湯を作る」ことしか出来ず、売電も出来なければ他のエネルギーへの使い道もありません。
ただ、その「お湯を作る」事に関しては、太陽エネルギーを電気に変換して湯を沸かすのではなく、熱をそのまま熱(湯)に変換してくれているという点において、その効率は格段に違います。
ここでエネパス(光熱費シミュレーション)で高性能住宅を試算した際の、用途別エネルギー需要割合(一般家庭)を紹介します。
高性能住宅になるほど冷暖房エネルギー割合が抑えられ、給湯エネルギーが大きな割合を占めている(暖房とほぼ同じ)事がお分かり頂けるかと思います。
冷暖房エネルギーの削減は、パッシブ設計を取り入れたり断熱性能を上げる事でエネルギーをある程度少なくすることが可能ですが、やはり限界はありますし、費用対効果は高性能になればなるほど小さくなっていきます。
その中で今回ご紹介した「太陽熱温水給湯」を導入することで、円グラフのピンク色の部分は半分減ることになり、非常に大きな省エネ効果が実現できることになります。
・・・とまぁ色々とややこしい説明を長々としましたが、単純に「ウチのお風呂はお日さまが沸かしてくれたお湯!」って考えると、なんだか嬉しく感じてしまうのは私だけでしょうか。
小栗