
〈お客様の声〉米原市でこだわりの詰まった高性能住宅づくり(2)性能向上リノベーションから新築へ
【前回までのあらすじ】
古い民家を購入して、耐震・断熱性能の向上を含めたこだわりのリノベーションを考えておられたE様ご夫妻。しかし、アーキトラストの調査や検討による結果、求めているレベルの性能向上が難しいことがわかり、新築へ建て替えをすることに舵を切ることになりました。

【写真】E様による解体のようす
聞き手:あらためて新築住宅を検討することになりました。方向性としては、どのような住まいづくりを考えられましたか?
E様:実は、ゾーニングなど方向性としてはリノベーション時に考えていたプランと大きく変わらないのです。リノベーションのプランも既存の建物の構造に多少は縛られてはいたものの、私たちにとってはほぼ理想的なプランだったからです。そのため、それをベースに、新築のプランを考えてもらうようにしました。
〈新築プランのポイント〉
・リノベーション時と同様に、建物の中央には小上がりの畳リビングがあるLDKを配置し、そこを中心に回遊型の動線を設ける。
(回遊型の動線は育った実家の座敷をぐるっと取り囲む廊下が原風景です。子どもの時に廊下を走り回った楽しさを、自分の子どもたちにも味わって欲しいと考えました)
・2階もリノベーション計画時と同じく、吹き抜けの周囲に回廊を設け、こちらも回遊型の動線を設ける
・建物の東側にキッチンと水まわりを配置
・西側の玄関を入ってすぐに在宅勤務スペース
(これもリノベーション時のゾーニングと変わりません)

【図版】建替えの初回プラン

【完成予想パース】小あがりの畳リビングからダイニングを眺める
聞き手:リノベーション計画とほぼ同じように新築を考えたということですか?
E様:方向性としてはそうです。ただ、リノベーションと同規模の建物サイズで新築だと予算オーバーするため、建物全体を大幅に縮小することにしました。新築の計画になったことで、既存の柱位置などにとらわれることがなくなったため、無理なく全体的にコンパクトにすることができ、延床約47坪のプランに落ち着きました。
しかし、それでもまだ予算オーバーだったため、私たちの暮らしに沿う形でより具体的にアーキトラストさんに以下のような設計提案していただき、新築プランの最終案では、延床41坪に収まり、性能面・コスト面でも納得できる最終プランになりました。
・親族の宿泊用などにと考えていた独立した和室は、リビングの畳スペースを兼用
・トイレをワークスペースに食い込ませつつ、トイレ上部を収納スペースとして活かす
聞き手:かなりザックリと削ぎ落としたなという印象ですが?
E様:建築面積的にはそうですね。ただ、最終プランと、当初のリノベーション計画を今になって見比べてみると、リノベーションのプランは無駄が多かったなと思います。新築プランでは、予算からくる建築面積という縛りを設けたことで、本当にやりたかったことが明確になりました。
プランを小さくしたことで得られた金銭的メリットは多かったと思いますが、金額を抑えるためだけにただ面積を削った!という感じはなく、アーキトラストさんが、面積を抑えつつも狭さを感じさせないように、空間を効率的に使えるようにする工夫をいくつも提案してくれた恩恵が大きかったように思います。
* * *
古い民家のリノベーションから新築への建て替えに舵を切られたE様ご夫妻。次回のコラムでは、アーキトラストが提案した新築の最終プランや、空間を効率的に使う工夫についてご紹介をします。