湖南市で開催した、ゼロ・エネルギー住宅(ZEH)完成見学会のレポートその4です!
【Point4:~エアコン1台全館空調のしかけ~@空調室】
我々アーキトラストがいつもご提案している空調計画の一つに、「冬場は床下エアコン、夏場は小屋裏又は2階のエアコン」の合計2台を季節ごとに使い分け、シーズン毎でエアコン1台を稼働させてお家全体を空調する、という計画があります。
この手法でお引渡しさせて頂いたお客様からは、「冬場暖かく夏は涼しい」というお言葉は常に頂戴しておりましたが、それでもやはりお家全体での空気ムラが発生してしまうことは、そのお家のプラン次第では課題となっていたところではあります。
そこで今回のお家では、この温度ムラ解決法の検証、という位置づけで新たな空調換気のご提案をさせて頂きました。
それがまさに、本当にエアコンを1台だけ設置し、オールシーズンこのエアコン1台でお家全体を空調しちゃおう!というご提案です。
(↑↑↑LDKにエアコンの姿が見当たりません!)
まずこの提案における最大のメリットは、「エアコン更新費用が1台分で済む」というところです。
一般的なエアコンの寿命は10~15年と言われており、もしお家にエアコンが2台あれば、その更新費用は10~15年ごとに2台の買い替えが必要になります。
仮にエアコン寿命が15年、更新費用1台あたり30万円、45年そのお家に住み続ける、とすると、エアコンの更新費用は 3回×2台×30万円=180万円 となりますね。じゃあこのエアコンが1台になったら、、、答えは単純。45年で90万円、年間当たり2万円お得になるという試算になります。
ではこのエアコン1台でどうやってお家全体を空調しているのか。
その仕掛けは大きく分けて3つあります。
■しかけ 其の一
小屋裏収納の一部を間仕切り「空調室」なる空間を設けます。
ここに設置されるのは、お家全体を空調するエアコン1台と、お家全体の空気を入替え(換気)する全熱交換型ダクト式第一種換気設備です。
空調設備と換気設備を同じ部屋に設置することで、フィルター交換などそれぞれの機器メンテナンスもこの部屋ひとつで完結出来るように配慮しています。
そしてこの空調室に外気からの新鮮空気が高性能フィルターと熱交換素子を通って吹き出され、その新鮮空気を使ってエアコンが空気を暖め/冷やし、空調室全体の温度と湿度をコントロールします。
■しかけ 其の二
空調室で暖め/冷やされた新鮮空気は、風量一定型の換気扇にてダクトを経由してLDK、寝室、子ども室へと送られていきます。LDKの吹き出し位置については、温度差気流を低減させるために南北にある大きな窓の足元へ配置し、LDK窓際での快適性の向上に寄与出来る様に配慮しています。
この時の空調室から送る空気の量が重要となってきます。家全体の体積、空調室の体積、新鮮空気の量、エアコン能力、冷暖気搬送ダクト経路などなどを考慮し、各部屋へ送る空気量と換気扇風量を決定しています。
■しかけ 其の三
空調室で暖め/冷やされた空気が各部屋へ送られる、ということは空調室の中の空気が無くなってしまう(負圧になる)、という事になります。これを上手に利用し、各部屋へ到達した冷暖気が自然対流で空調室へ戻っていく「空気の通り道」を設計してあげます。そうする事で常に家中の空気が「空調室 ⇔ 各部屋」を循環し、その空気の通り道となる家全体が温度ムラなく常に暖かく涼しい均質な温熱環境へと均衡していきます。
この3つにしかけによって、「エアコン1台全館空調」の住まいが完成し、快適な住空間を実現しています!
…と、長々と概要を説明しましたが、なかなかこういった空調システムの快適さは、体感せずには実感として得られないものではないでしょうか。
そこで、一番寒さの厳しくなる2月にこちらの住まいで、「エアコン1台全館空調の快適さを体感していただくためのOB見学会」の開催を計画しています!!
日程や詳細など現在調整中ですので、決まり次第HPでお知らせします。
ぜひこの機会にアーキトラストの快適な住まいをご体感いただければと思います!!
<小栗>