GUTEX講演

先日参加してきましたセミナーについてご紹介します。

『木の家 木の断熱材が 日本の未来にできること』
~GUTEX 第3回日本講演 2018~

当社で標準採用としている「木質繊維断熱材」の製造元であるGUTEX社の方が、はるばるドイツより来られてのプレゼン講演でした。

ご存じの方も多いかとは思いますがドイツはまさに環境大国であり、国を揚げて様々な環境に関する施策が実践されています。

当然、建物を建てる際の基準も日本より遥かに進んだ規制、基準を設けられています。

そんな国の背景の中、GUTEX社によって開発されたのがこの断熱材です。

日本においては当たり前の様に使用されている様々な断熱材は、ドイツにおいては発がん性等々を理由に使用不可となっているものが数多くあります。

なので必然的に、自然素材を原料とした断熱材を含む様々な商品があちらにはあるそうです。

 

ただ、「自然素材を原料としている」という理由だけでは当然ドイツの高い基準をクリアできません。

従来の断熱材と同等の断熱性能(熱伝導率)を持ち、透湿抵抗値が低く、防音性が高い。そして何より熱容量が大きい、という特性がこの断熱材の大きな特徴になります。

ドイツでは、断熱材の熱容量を加味した「温度伝導率」という指標を持って断熱材の性能を評価可能であるため、今や断熱材の主要材料のひとつとなっている、との事です。

 

ちなみに「温度伝導率」とは何?と思われる方も多いと思います。

材料(素材)は熱(エネルギー)を与えられた際、まず自分の中にその熱(エネルギー)を蓄積します。

そしてその蓄積量が限界になって初めて、お隣の温度が低い側へ溢れた熱(エネルギー)を放出します。

なので、熱を蓄積出来る量(熱容量)が大きければ大きいほど、外から侵入する熱を中に到達させるまでの時間が長い、ということになります。

 

言葉で表現するのはちょっとムズカしいのですが、百聞は一見に如かず。

こんな実験装置を紹介します。↓↓↓

向かって左から 「EPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)」、「木質繊維断熱材」、「ロックウール」、厚さは全て60mmです。

(※EPSとは、発泡プラスチック系断熱材の一種で、類似の断熱材として、「押出法ポリスチレンフォーム(XPS)」や、「硬質ウレタンフォーム(PUF)」などが挙げられます)

 

温度センサーはデジタル温度計本体と、各断熱材の裏側の2か所に設置されており、モニターの上の数値が温度計付近の温度で下の数値が断熱材裏側の温度です。

そこに上から熱を加えます。

10分後、

30分後。

熱上面から下面までの熱の到達時間が明らかに違うのが分かります!

中央の「木質繊維断熱材」は、熱を蓄積出来る量(熱容量)が他の2種の断熱材より大きいので、外から侵入する熱を中に到達させるまでの時間が長くかかるということです。

電球側を住宅の外部、断熱材の下側が住宅の内部と考えると、夏場(当然冬場も)の室内の温熱環境の変化の差が、断熱材の性能差によって大きく変わるということが見て感じて頂けたのではと思います。

 

baumxbaumでは、この断熱材を壁・屋根に標準採用し、夏は外からの熱エネルギー侵入を緩衝し、冬は室内の熱エネルギー放出を緩和させ、一年を通して快適な温度環境を作り出せるお家づくりを目指しています。

(※同断熱材使用のZEH仕様参考。上記実験ではわずか60mmの断熱材でしたが、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)仕様では、壁面の断熱材の厚さは220mm相当になります。その分熱容量はさらに大きくなるので、より外部からの熱の移動に時間がかかることになります)

 

アーキトラストの事務所の小屋裏には、この断熱材の施工状況を実際に見て頂けるようになっています。

これから熱くなる季節に向けて、ぜひ一度ご体感ください!

 

小栗

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